2000.1.15
オフイスビル革命の波
光通信網施設相次ぐ
ビル会社 ソフト充実図る

大手ビル会社と通信会社が提携し、オフィスビルに大容量の光ファイバー網を敷設する動きが相次いでいる。インターネットを使った通信サービスや電子商取引などの「情報技術(IT)革命」が進むにつれて、入居しているテナント企業から大容量回線の要求が高まっているためだ。光ファイバー網を物品販売や福利厚生施設の予約、社員研修プログラムの提供などの情報サービスに活用する試みも始まっており、オフィスビルの「情報化戦争」は一段と過熱しそうだ。

光ファイバーはガラス繊維を使っており、従来の電話回線と比べて一万五千倍程度の大量の情報を伝達することが可能という。
三菱地所はNTTグループと提携し、東京の丸の内地区などに保有するオフィスビル二十棟に光ファイバーを引いた。テナント企業は、時間当たりの情報量が一般のデジタル回線の十倍以上という高速のインターネット常時接続サービスが、割安の月額三十万円以下で受けられる。
森ビルも、アメリカの大手長距離・国際通信会社であるMCIワールドコムの日本法人と提携し、東京の赤坂、六本木地区などのオフィスビルを光ファイバー網で結ぶ計画を進めている。二月中に四棟に敷設し、二000年中をめどに四十棟に広げる方針だ。
こうした動きの背景には、テナント側の要求があるという。インターネットビジネスの急拡大で、「高速、大容量のインターネット接続環境がないと仕事にならない、と訴える企業が多い」(三菱地所)という。民間調査機関である生駒データサービスシステムが、首都圏の大型ビルに入居する企業を対象に九八年二月に行った調査では、光ファイバー網に「メリットがある」と答えた企業が51・7%に達していた。
ビル会社側も、都心部の再開発が相次ぎ、数年後には多くのオフィスが供給されることになるため、光ファイバー網をテナント獲得競争の武器にしようという狙いがある。特に、オフィス需要のおう盛な外資系企業に、大容量回線や国際通信サービスのニーズが高いとの事情もある。
通信会社にとっても、ビル会社と組むことで多くのテナント企業を顧客として獲得できる。
三菱地所は、九九年十二月から、ビルを結んだ回線を使って、テナント企業向けの情報提供サービスにも乗り出した。インターネットなどを使って、文房具などの物品購入や、福利厚生施設の閲覧と予約、情報通信技術者向けの研修サービスなどを行ってい
る。
森ビルも、高速通信回線を使ったテナントヘの各種情報捉供を検討中だ。
「ハードである通信回線の大容量化だけでなく、情報サービスなどソフト面の充実が、差別化の大きな要素になる」(大手不動産)との声も強まっている。