2000.1.17秋田魁新報トップ

準都市計画区域を創設

無秩序な開発抑制

自治体個性ある整備可能に

都計審最終報告案

 

経済社会の変化に伴う都市計画制度を検討していた建設省の都市計画中央審議会小委員会の最終報告案が十六日、明らかになった。都市計画区域外での幹線道路の沿道や高速道路のインターチェンジ周辺での大型店舗の立地などに伴う、交通渋滞や無秩序な開発を市町村が抑制するため、「準都市計画区域」を創設するのが柱。併せて、

 @地方分権に対応するため自治体の個性的な都市整備を可能にする

 A廃棄物処理施設や最終処分場の都市計画決定の権限を市町村から都道府県に移す

 ―なども盛り込んだ。建設省はこの報告を基に都市計画法改正案を二十日からの通常国会に提出する。

抑制制度では市町村が、相当数の建築物の建築などが行われる見通しのある地域を準都市計画区域に、都市計画区域内で利用用途を決めていない白地地域の一部を「特定用途制限地域」にあらかじめ指定。住宅や商業などどのような用途に使うかなどを定め大型店の進出などを抑える。

 また、開発を抑える市街化調整区域のうち市街化区域と近接し、既に開発が進んでいると都道府県知事が認めた区域は、計画的な開発を認め計画区域外の開発を減らせるようにした。

 個性的な整備では、都市計画区域を市街化と市街化調整の二区域に分けるかどうかは、大都市部を除いて都道府県が独自に判断できるようにする。目指す都市像を明確化するため計画区域ごとに新たに「都市計画の方針」を都道府県が定め、地球環境保全や廃棄物関連施設の立地、都市防災、高齢者・障害者福祉などに対する考えも自治体の判断で盛り込む。廃棄物関係は住民の同意を得て建設を進めるため、都市計画決定を積極的に行うが、広域的観点から判断が必要として都道府県の権限とした。

 

都計審最終報告実の要旨

都市計画中央審議会の最終報告案要旨は次の通り。

 

【都市計画制度の見直しの背景】安定・成熟した都市型社会を迎え、地域特性に応じた個性豊かな都市整備に本格的に取り組む。

 

【講ずべき施策】

一、都市計画マスタープランの充実

目指すべき都市像の明確化のため、都市計画区域全体を対象にした「都市計画の方針」を創設。都道府県が都市計画手続きを経て定める。定めるべき事項は法令上明確にする。

地球環境保全のための環境負荷の低減、廃棄物関連施設の立地、都市防災、高齢者。障害者福祉など社会的課題に対する考えも各地方自治体の判断で規定できる。都道府県はほかの都市計画区域内外の状況を踏まえ広域的観点から定める。

 一、地域実情に応じた柔軟性の確保

都市計画区域を市街化と市街化調整の区域に分ける「線引き」は、都道府県が市街化の状況や見通しなど踏まえ判断。首都圏、近畿圏、中部圏、政令指定都市は線引きの必要性を引き続き義務付ける。

市街化調整区域で、新たに市街化区域に隣接、近接して相当数の建築物が建っている地域として都道府県知事が定める区域は一定の開発を認める。

宅地として最低水準を確保するため全国一律で適用している開発許可の技術基準を、自治体が条例で強化・緩和、最低敷地規模の基準を追加できる。

 一、既成市街地再整備の新制度導入

道路や駐車場などについて適正合理的な土地利用を図るため、施設が立体的に占める空間や地下の範囲を都市計画決定できる。

商業地域内で、都市計画上容積率を一体としてとらえ支障がない区域で土地の有効、高度利用を図る必要性の高い区域を「容積移転可能区域」とし、複数の建築物の延べ面積や敷地面積をそれぞれ合算して容積率を算定できる。

地区計画の手続きを定めた市町村条例で、地権者らからの案の申し出の要件、時期などを自由に決める。

 一、環境問題などへの対応

非線引き都市計画区域のうち用途地域が定められていない「白地地域」の新たな用途規制方法として「特定用途制限地域」を創設。市町村が特定の用途の建築物だけを制限する必要がある場合に定める。

白地地域の容積率、建ぺい率を見直す。廃棄物処理施設や最終処分場は、都市施設として積極的に都市計画決定。決定主体を市町村から都道府県とする。

 一、都市計画区域外の開発行為などの規制の創設

相当数の建築物の建築、敷地の造成が既に行われまたは行われると見込まれ、建築物の用途を整えたり、景観の維持などを図る必要性が高いと認められる計画区域外の区域を市町村が、審議会、都道府県の意見を聞いて「準都市計画区域」に指定。用途地域、特定用途制限地域、風致地区などの用途制限や景観維持の地域計画が定められる。開発許可制度や建築基準法の集団規定も適用する。

 一、都市計画決定システムの合理化

執行体制が不十分な市町村を支援する仕組みの構築が必要。