平成11年11月12日 県P指導者研修報告書

提言「意識の差を埋める改革を」
 前秋田県教育庁教育次長 宮田征文氏

 PTA活動が、学校教育を支えてきた役割は大きい。
 しかし今、二十一世紀を迎え、完全学校週五日制をはじめ新たな課題を抱え、見直しが迫られているのも事実です。
 こうした中で、前期。後期日程で実践的な研修会を企画運営していただいたことにまず敬意を表します。
 実りある研修会をやっていただいた後に、何を今更の感もなきにしもあらずですが、気づいたこと等を記してみます。
 家庭と学校と地域との連携とは、よく言われることです。しかし、これは言うは易く行うは難しいものです。
 「今の先生方は何を考えているのだろうか。」「PTAの役員達は私たちの気持ちがわかっているんだろうか。」等という父母(一般会員)のつぶやきが囁かれているとすれば、PTAの活性化など望むべくもないのです。
 校長以下教職員が一体となって「本気になって」学校(学級)の方針や計画を説明する責任があります。校報で、PTA総会で、PTA役員会で、学級懇談で、地区PTAで、説明すべきです。
「本気になって」と書いたが、父母(一般会員)一人一人に届く説明を学校はしていないのではないか、と心配してのことです。
 学校では、一年間の学校の運営について評価しあう「学校評価」というものをやってきています。しかし、そのほとんどは、その学校の教職員だけでの評価です。
 県の教育委員会では、平成十年度に、県内各中学校の父母に学校ヘの要望を書いていただき、その結果を当該学校長ヘお届けをする事業を行いました。平成十一年度には、県内全小学校で実施する予定です。
 これは、決して各学校長の経営の力量を評価するために行ったものではありません。「学校評価」を学校の中だけでなく、父母からの通信簿も取り入れてほしいという願いからです。
 「学校評議員」が各学校に導入されるようですが、その先例ともなるものでしよう。
 PTA総会や学級懇談に来られる人は、限られている人だという認識も持つべきです。これをどう広げていくか、ということがPTA活性化の最大の仕事です。
 夜や休日のPTA総会や学級懇談があってもよいし、「地区PTA」を積み上げていく活動があってもよいのではないでしょうか。手抜きをしていては、文字どおり手を携える「連携」などできるはずもないのです。
 「子どもを人質に取られているので先生方には言いにくくて〜」という声が父母の間で囁かれているのも事実です。その言いにくいことを、声を大にして先生達に伝えることができるのは、PTAの役員の方々以外にはいないものです。
 私は、二つの学校で校長を勤めさせていただきましたが、今でも両校のPTAの役員の方々に頭の下がる思いでいっぱいです。それは、学校に関する心配なことや懸念されることを、いち早く連絡していただき、その解決に当たれたからです。
 校長と教職員が父母の声に耳を傾け、「PTA役員」が「一般会員」の声を生かすとき、『PTAの活性化』が始まるのです。