2000.1.16毎日 社会面
高校に「節約・清貧」のススメ
都教委「徴収金」にメス
修学旅行業者任せは3万円高
制服は卒業生からリサイクルを

「何でこんなお金取られるの?」と、とかく保護者から不満の声が上がっていた「学校徴収金」にメスが入る。東京都教育委員会が近く都立高校に改善指導を出すが、その検討過程で、無駄や疑問点が次々に浮かんだ。業者ヘ,の発注法を変えたら修学旅行が1人当たり3万円も安くなった例さえある。都教委の検討委員会は「制服や運動着は卒業生が後輩ヘ譲る」などの「節約、清貧」の実践も求めている。
【望月 麻紀】

●無駄
健康診断は校医のほか教職員たちが協力し、公費で行うが、数校は業者にまるごと委託し、保護者から2000円前後を徴収していた。ある校長は「体重や座高を他の生徒や先生に知られるのを嫌がる生徒の気持ちに配慮した」と釈明するが、都数委は「保護者に負担をかけるのはおかしい」とクギを刺した。
卒業アルバムについても、プロに撮影を頼まず、教員や生徒が振る
▽社会の出来事などの資料は付けない
▽航空撮影はしない
―などを挙げ、制作費の節減を求めた。教員がアルバムの寄贈を受けることも「あしき慣習」と断じた。
検討委員会は報告書で無駄の原因を「会計処理や業者選定を一人の教職員に任せ、チェック機能が働いていないため」と指摘した。
●低いコスト意識
「コスト意識の低さ」は徴収金の中で大きな割合を占める修学旅行費用に表れる。旅行の計画を業者任せにし、その分、企画料が費用に上乗せされている例が多い。実際に今年度、ある都立高の北海道3泊4日の修学旅行で、教員が計画を作成し、業者たちに入札させたところ、以前は1人約11万円だった費用が8万円ですんだ。
都教委は「一般の団体旅行に比べ割高という批判がある」と指摘。教員による企画づくりや校内の業者選定委員会の設置を求めた。また「修学旅行の航空運賃割引率を現在の35%から、一般向けの事前購入の割引率である50%に引き上げるよう航空会社と協議を」と、コスト削減努力のハッパをかける。
●洗濯代は公費負担
都教委は制服や運動着、実習着などを新入生ごとに買わせるのも無駄と見て、卒業生から引き取り、新人生や在校生の希望者に使ってもらうリサイクルを提案する。洗濯代を1校当たり5万〜10万円と見積もり、公費で負担する方向で検討している。
●相次いだ不正
今回の改善策検討のきっかけになったのは、1998年度に相次いで発覚した教職員の不正だった。
ある都立高の事務職員は修学旅行などの学年積立金を3年間にわたり計約1500万円を着服し、ギヤンブルに使っていた。本人の異動まで分からなかった。また別の都立高でも事務職員が積立金約100万円を横領したことが分かつた。いずれも職員が全額弁償したため、刑事告発はせず、懲戒免職でけりをつけたという。
悪質なケースだけでなく、「いじましい事例」も相次ぐ。ある美術講師は安価な仕入れ価格で仕入れた教材を、教えている3校の生徒に高い小売価格で販売、差額を懐に入れていた。修学旅行の事前の調査旅行で飲食代などを業者にもたせていたケースもあった。