「実験店舗」で商店再生
 
   若者の創業を支援
   現場学び次々出店
        富山市

 新しい商店主を育てようと、富山市の「中央通り商店街」がミニ実験店舗「フリーク・」ポケット」を格安で提供する試みを始めて三年目。商売の現場を学んだ若手経営者が次々とミニ店舗から巣立って自分の店を出店、街のにぎわいも復活した。商店街の空洞化に悩む各地の自治体関係者らも「再生の実例」と注目、視察が相次いでいる。

 富山市中心部のアーケードに約百五十店が軒を連ねる中央通り商店街。その一角の二階建てビルに、輸入雑貨や手作り商品の小さな店が並ぶ。フリーク・ポケットは「個性的な人や物が集まる場所」の意味。狭い空間で交わす店員との会話も客の楽しみだ。
 商店街組合がフリーク・ポケットの試みを始めたのは一九九七年七月。郊外ヘの大型店進出などで客足が落ち込む中、商店街で育つた竹島身和子さん二七〉、章江さん二二〉の姉妹が「店を増やそう」と活気あふれる香港の雑居ビルをヒントに提案した。
 眼鏡店が撤退した空きビルを借り上げ、約二坪のミニ店舗十五店に改装。商売を目指す若者らに月額二万円で店を一年間提供し、現場で経営を学んでもらう。 これまでに延べ三十八店が入居、うち十九店が独立した。入居者の年齢は三十代半ばまで。いずれも経営の初心者だ。
 フリーク・ポケット運営協議会会長で呉服店を営む沢井淳一さんは「(入居者は)最初はぎこちないが、熱意があるので半年もすれば一人前になる」と話す。”卒業生”は「周りに相談できる人がいたのが強み」と口をそろえる。
 商売の「先生」ともいえる商店街組合のメンバーが暇をみては接客方法や商品構成を助言。税埋士の派遣や独立時の低金利融資(最高五百万円)などで富山市の支援もある。
 沢井会長は「若者の熱意、商店街のノウハウ、行政のバックアップの三つをかみ合わせるのが成功の秘けつだ」と話している。