毎日新聞2000.4.28
PTAてんやわんや<24>
(校長がかわれば・・・・)
小田桐 誠氏

新年度とともに新しい校長や教頭、先生を迎え、歓送迎会の準備に追われているPTAが多いことだろう。
「校長がかわれば学校が変わる」という本が話題になり、それを原作にしたテレビドラマも生まれた。学級崩壊・学校崩壊状態にある高校に新しい校長が赴任、教師集団をまとめ、問題生徒の絵の才能を引き出しながらクラスを、学校を立て直していくというストーリーだが、現実はなかなか本やドラマのようにはいかない。
しかし、校長がどんなマインドでこどもたちや教員、PTAと向き合うか、何か問題が起きたときどう対応するかで、学校の雰囲気やPTAとの関係がガラリと変わるのは確かだ。
「うちの校長は、はなっから”PT Aは校長の下部機 関"と考えている人だからね。自分の言う通りにPTAが動かないとふくれるし、学校で 生徒同士のトラブ ルがあったり、他校の生徒とイザコ ザがあってもなあ 〜んにも話してく れない。ある時、複数の学校の生徒が絡んだ暴力事件があり、ウチの生徒もかかわっていたんだけど、他校の会長から知らされてびっくり。校長にそのことを話したら"なんであんたに話さなきゃいけないの"といった態度だもの」
と、あるPTA会長が愚痴れば、別の会長は対照的ににこやかな表情でこう話した。
 「親子いっしょに楽しむイベントで、こどもたちがバンドを結成してコンサートをやりたいと言い出してね。役員のお母さんから『とん汁や清涼飲料水の容器をバラまいて大騒ぎする』『他校の生徒が押しかけて来ないか』といった声があがったんだけど、オレが『大丈夫!』と言ったら、校 長も『いいんじゃない』と後押ししてくれたんですよ。教室や部活動でのちょっとしたトラブルも耳に入れてくれるし……」
まったく対照的な校長だが、校長はこの二つのタイプしかいないわけではない。口下手だけど、こどものことをよく見ている校長。ことある ごとに学校運営について自分の言葉でPTAに伝える校長。PTAや地域を巻き込んで新しいことにチャレンジしたがる校長などなど。
学校運営の基本方針は、公立である以上、同じだろうが、さまざまなタイプの校長が存在する。
PTA会長は新しい校長が赴任すると、地域に紹介したり、一緒に会議に出席したり、酒席をともにしたりしながら、コンビネーションをつくりあげていく。一杯飲んだ後、最寄りの駅まで送っていく優しい(優しすぎる)会長もいる。それもこれも、こどもたちやPTAのパートナーとして、校長にひと肌もふた肌も脱いでほしいとの思いからだろう。 (ルポライター)