基本計画の策定手法と個別事業
意義踏まえ目標明確化
重要になる共通認識
<第4講>
生活行動研究所代表
山口貴久男さん
県のタウンマネジメント講座第四講は六月二十五日、水戸市の県産業会館で開かれ、生活行動研究所代表の山口貴久男さんが「基本計画の策定手法」「個別事業の手法〜商業活性化対策(ハード)〜」をテーマに講演した。
【講演要旨】
◆基本計画への記載事項
 中心市街地活性化法に基づく基本計画には
@市街地整備改善および商業などの活性化の一体的推進の意義
A中心市街地の位置および区域に関する基本事項
B市街地盤備改善に関する基本事項
C商業の活性化に関する基本事項
D各種事業の一体的推進にあたっての必要事項(推進体制も含む)
−などを盛り込む必要がある。
 同法はそもそも「中心市街地における市街地の整備改善および商業などの活性化の一体的推進」を目指したもの。計画は中心市街地の意義を踏まえ、目標を明確化することが大切で、市町村・事業者・住民の共通認識が重要になってくる。
 そのためには
@市町村による主体的取り組み
A地域住民の理解と協力
B民間活力の活用
C広域的視点を踏まえた取り組み
−が不可欠で、県の役割も重要になってくるだろう。
 法が定める中心市街地の要件は
@相当数の小売商業機能・都市機能が集積しており、市町村の中心を成す市街地であること
A土地利用などから見て、機能的な都市活動や経済活力の維持に支障が生ずると思われる市街地であること
B市街地整備改善と商業などの一体的整備推進が地域の発展に有効かつ適切であると認められる市街地であること。
これらに合う中心市街地の数や規模、境界なども明確にし、基本計画に記載しなければならない。
 また、市街地整備改善と商業の活性化の一体的推進については、推進体制の整備も求められている。具体的に行政は
@各部局間の連携調整会議の設置
A対外窓口の一本化
B商工会議所などとの協議会設置・民間組織との調整
C市民理解を得るための広報活動
−を実施すべきで、事業推進にあたっては
@地域特性の尊重
A都市計画との調和
B地方公共団体の基本構想との調和
C環境などへの配慮
−に注意しなければならない。
 基本計画はあくまでも市町村の主体性によって自由に策定されるもので、地域の独自性、先進性、事業の熟度などの面で相対的に優れたものに支援されることになっているからだ。
 そして、TMO構想を含め、だれが事業主体となるのかも明記しておく必要がある。これらを盛り込み、基本計画を策定していく。
◆ハード面の商業活性化策
 具体的に商業の活性化についてだが、活性化対策をハード画からとらえると、基本条件として
@アメニティー(安全性・快適性)
Aビューティー(美しい景観)
Bコミュニティー(交流・防犯)
Cコンビニエンス(買い物・交通などの便利さ)
Dコンパクト
Eコンプレックス(さまざまな機能が複合し、にぎわいを演出)
−の六つのキーワードが挙げられる。
 例えば、商業集積の高度化を図るには
@大型店の導入
A共同店舗事業
Bパティオ事業(中庭づくり)
Cパサージュ事業(“横町"づくり)
−などの事業を盛り込むのはどうだろうか。安全性・快適性を実現するには
@歩道整備
Aモール化
B舗装
Cアーケード設置
Dストリートファーニチャー整備
−などの手法が考えられる。交通弱者や環境問題にも配慮した駐車場や公共交通機関の導入・整備も重要だ。
 複合機能化を目指すには
@住宅
Aコミュニティー施設
B公共施設
C芸術文化施設
D医療・福祉施設
E情報施設
−などの誘致が効果的。一方で自然・風土資源や地域の歴史・伝統・文化資源を生かしたまちづくりが求められる。建築物の統一、電線の地中化、看板の統一、色彩規制などで景観にも配慮すれば、地域の人たちが「これこそがわが街の中心」と誇りを持てるような街ができるに違いない。