商業活性化対策と都市の概念
街の全体像 把握必要
情報共有する仕組みを

第5講
地域計画システム代表
椿本雅則さん
県のタウンマネジメント講座第五講は二日、水戸市の県産業会館で開かれ、地域計画システム代表の椿本雅則さんが「個別事業の手法〜商業活性化対策(ソフト)」「商業対策の手法〜都市の概念」をテーマに講演した。
【構演要旨】
◆街の経営手法
 中心市街地におけるタウンマネジメント(街の経営)の業務内容には
@街づくりの推進(デベロップメント)
A街および施設のハード管理(メンテナンス)
B街および施設のソフト管理(マネジメント)
C収益事業5中心市街地活性化基本計画の推進
−の五つの柱がある。商業などの活性化を実現するには、このような街の経営の全体像を把握して、TMO(街づくり機関)がどのような役割を担うのかを検討した方がよい。
 第一点の街づくりの推進についてだが、
@街づくりのための基本計画づくり
A街づくりのための事業の推進
B街づくりの主体としての実施・参加
C街づくり事業推進への支援
−事業などが考えられるだろう。
 第二点のハード管理についてはアーケードや道路の舗装、商業施般の建物・駐車場の維持・管理などがポイント。
 第三点のソフト管理、つまりマネジメントは今後、最も大切になってくる項目だ。具体的には
@街のデータやマーケット情報の管理
A街の方針・イメージの確立
Bテナントミックスおよびテナントリーシング業務
C関係者の営業・経営管理
D販売促進事業の企画立案および実施
−などの業務が挙げられるが、これらを総括・調整するのがまさにTMO。
 どこでどのような人がどのよう名商売をしているのか。これまでは各商店が店主の経験則に基づいで情報管理していたが、これからは中心市街地全体の情報として整理し、みんながそれを把握できるような仕組みをつくっていかなければならない。
そして、収益事業ができないとTMOが維持できない可能性も出てくる。不動産運用、物品販売、サービス事業などでいかに収益をあげ、まちづくりに還元していけるか。中心市街地活性化基本計画の事業主体・共同者・支援者としてTMO構想を作成し、運営管理していく組織をどうつくっていけるかなどが、活性化の成否のカギを握っているといえる。
◆中心市街地の都市機能
 中心市街地の空洞化の原因は
@定住人口の減少と高齢化の進行(地域購買力の低下)
A車社会の進展と都市基盤施設整備の遅れ(交通条件の悪化)
B集客施設の分散化と都市機能の低下(昼間人口の減少)
C商業投資の減少と商業機能の低下(商業集積および魅力の低下)
−の四点。
 これらに対処するため、商業環境面では
@住環境の整備や都市型住宅などの誘致による定住人口の増加
A道路・駐車場などの都市基盤施設整備による車社会への対応
B公共・民間の都市施設などの都市機能の集積による昼間人口の増加
−の対応が求められる。商業機能面では新規の進出、既存店の改修などの商業投資の誘導による商業集積の魅力向上などが課題となる。
 商店街を抜本的に見直し、商店街の存立基盤を整備し、商業機能を強化・充実させることが急務で、その基本的な対応策は「移転」「改造」「修復」のいずれかだろう。
 多くの都市の中心市街地からは、市役所や病院などの公共的施融や銀行活どが抜けてしまった。さまざまな都市機能を中心地に戻していく作業が重要だ。
 中心部は市民の共有財産。その前提として、みんなでよい街をつくっていこうという発想の転換がなければ、活性化はうまくいかない。