商業対策〜業種・業態と中核施設
街と核施設は連動を
事業主体の自主性重要

第6講
地域計画システム代表
椿本雅則さん
県のタウンマネジメント講座第六講は九日、水戸市の県産業会館で開かれ、地域計画システム代表の椿本雅則さんが「商業対策の手法〜業種・業態構成の考え方」「商業対策の手法〜中核施設づくり」をテーマに講演した。
【講演要旨】
◆商業機能・規模の設定
 基本計画に盛り込む商業対策では、中心市街地にどういうマーケットがあるのかによって、望ましい業種・業態構成が変わってくる。この街では、どういう人を相手にして、どういう商売をしていくのか。商業対策を考えるときに、まずは、人口・世帯数の動向、居住者の年齢構成・所得水準などといった商業環境の把握が必要だ。
 さらに、商圏の可能性を探り、商業規模の検討をしておくことも大切。
 地区の需要構成としては、商圏内居住者の家計から消費される家計(商圏内)需要のほかに、通学・通勤者、観光客らの小遣いなどから消費される家計外需要もあるので注意したい。
家計需要は郊外のスーパーなどにとられるケースがある。観光客などの交流人口にいかに対応していくかに着目すべきで、中心市街地としては、この家計外需要動向を抑えておかなければならないだろう。
◆業種・業態の在り方
中心市街地における業種・業態構成については、街のコンセプトとの整合性も確認しておくことが重要だ。核となる商業施設だけでは活性化はうまくいかない。中心市街地には病院や図書館、各種教室などが開かれる施設など、常時人が訪れるようなさまざまな都市機能が求められており、街の使われ方と核施設とが連動していなければならないと思う。
また、商業対策においては空き店舗の活用も考えていくべきで、TMO(街づくり会社)などによる継続的なテナント管理が求められている。テナントミックスやテナントリーシングなどの手法で有効活用していくことが大切だ。とはいえ、業種・業態が整ってもゾーニングがしっかりしていなければ効果はない。その街ならではの商業機能配置計画も考えていくべきだろう。
◆中核施設づくり
中核施設についてだが、地区のコンセプトとの整合性を念頭に置く必要がある。地区のシーズや将来のイメージに合っているかどうか。不足する商業機能は何か。住民のニーズはあるのか。商業者の期待はどうであるかなどを検討した上で誘致先を決めるのが妥当。中核施設の種類としては商業施設や公共公益施設、学校、商工会議所、公園、住宅などが挙げられる。
商業施設としては@物販施設(百貨店、スーパーなど)A飲食施設(ファストフード、ファミリーレストランなど)Bアミューズメント施設(クアハウス、シネマ、ゲームセンターなど)Cサービス施設(金融機関、クリニック、旅行代理店など)−など、公共公益施設としては@交流施設(ホテル、ホールなど)A文化施設(美術館、博物館など)Bスポーツ施設C住民サービス施設(市役所窓口、ハローワークなど)−などが考えられるだろう。
 内容が決まれば、配置計画を検討。他施設との複合化や相乗効果などを考え、利用者動線とサービス動線を整理しながら、誘致を進めていく。
その過程では事業主体をだれにするのかといった見定めも重要だ。「商店・企業」「商店街組合」「商店会・商工会議所」「第三セクター」「公共」など、さまざまな事業主体が考えちれるが、大切なのは自立性があるかどうか。
 TMOが事業や施設運営を担うにしても、採算に合うだけの収益性のあがる事業を展開しないと長続きしない。その収益を地域に還元できるだけの力がなければだめ。そのためにも人的、資金的な自立性が求められている。