TMOの機能と役割
まさに地方分権の発想
成否のカギ握る地域住民

第7講

全国まちづくり
フォーラム代表
佐川嘉久さん
 県のタウンマネジメント講座第七講は十六日、水戸市の県産業会館で開かれ、全国まちづくりフォーラム代表の佐川嘉久さんが「街づくり構想づくり」「TMOの機能と役割」をテーマに講演した。
【講演要旨】
◆街づくり構想づくり
 これまでの中心商店街における商店街組合や商店主には、「まちを経営する」という視点がなかった。活性化事業がバラバラに進められてきたために、まち全体としての魅力が低下。面的広がりを持つまちづくりの発想がなかったわけだ。
 中心市街地活性化のキーワードは、まさにタウンマネジメント。まちをつくるだけでなく、一括管理・運営する組織として、パートナーシップ型のTMO(街づくり機関)が必要になってくる。
中心商店街は地域の「総合サービス産業」。「商店街」から「生活街」への発想の転換が求められそうだ。二十一世紀は市民、行政、企業、TMO・公益法人のパートナーシップ型「スーパーセクター」の時代になるだろう。
TMOによる展開の中心は、街の使い手からみた商店街の再生にある。そのためには、米国のシティーマネジャーのように都市の経営全体を統括するキーマンが必要。街づくり構想では、新しい時代の市民ニーズに対応した街なか「生活街」の創造に目を向けていくべきだ。
魅力づくりの仕掛けとしては
@歴史的街並みを整備する
A歴史的な街の物語性を活用する
Bまちに「かいわい性」をつくる
C裏道、わき道の空間演出を図る
D回遊魅力を高めるウインドーショッピングのまちづくり
−などが挙げられる。
@買い物や市歩きを楽しむ街(楽市型)
A祭りやイべントを楽しむ街(楽祭型)
Bものづくりを楽しむ街(楽創型)
Cかいわいや小路を楽しむ街(楽歩型)
D芸術、芸能を楽しむ街(楽芸型)
−などを展開テーマとして考えてみるといい。
◆TMO構想と運営
 TMOは行政が策定する基本計画のうち、商店街のリノべーション事業を分担するタウンマネジメント機関だ。基本計画の策定が街なか再生のスタートになるわけだが、まずは「市街地の整備改善」「商業などの活性化」および十三省庁の支援メニューを活用し、まちづくり協議会などを中心にして、先見性、地域文化、斬新なアイデア、魅力的なコンセプトにより、個性的で実現可能な計画を策定することが求めら TMOの設立方法としては
@地元有志と会議所との一体型
A第三セクター方式
−などが考えられるだろう。
 事業計画の策定を進めるにあたっては、「当面五年以内に完了すべき短期事業」と「五年以内に着手すべき中期事業」を明確に分け、詳細なスケジュール、投資計画、償還計画などを作成することが重要だ。TMOの事業には高度化資金融資(借金)が伴う。また、ごれを支援するのに必要な公共施設、サービス施設などの整備も併せて実施していくことが大切。
 TMOはそもそも営利組織だ。人材面も含めてまちの経営のプロ集団としてのTMOづくりができるかどうかが成否のカギを握る。
 現在、全国で百五十都市前後がTMOづくりの準備に入っているが、会議所・商工会タイプが三割、第三セクター新規設立タイプが三割で、残りの四〜五割が既設のまちづくり会社を衣替えしたタイプというのが現状だ。
 体制は
@企画調整に徹する
A事業を実施する第三セクターをTMOとは別に設ける
B事業も実施する
−などさまざま。街の特性を生かして、より二十一世紀の「まちづくりTMO」として新機軸を打ち出すことが大切だろう。
 TMOについてはどこの都市も手探り状態だが、運用の仕方によっては市町村の優劣が出てくる。まさに地方分権の発想。国が再生のチャンスをつくってくれた。これをどう使ってまちづくりを進めていくかは、地域住民次第だ。