高度化事業の進め方
活用はアイデア勝負
「オンリーワン」が重要

第8講
全国まちづくりフォーラム代表
佐川嘉久さん
 県のタウンマネジメント講座第八講は七月二十三日、水戸市の県産業会館で開かれ、全国まちづくりフォーラム代表の佐川嘉久さんが「TMOの役割〜高度化事業の進め方」をテーマに講演した。
【講演要旨】
◆高度化事業の活用
 中心市街地活性化は、行政依存型ではうまくいかない。市民力を生かした市民のためのまちづくりを行っていくことが大切だ。そのためにも力のあるTMO(街づくり機関)をつくる必要がある。
 中心市街地活性化法を最大限活用して、お金を掛けずにできるところから手をつけていく。まさに、アイデア勝負だと思う。TMOがうまくいくかどうかで、街の優劣がはっきりする時代がやってくるだろう。地方分権が進み、街間の競争が生まれてくる。
「まちを経営する」発想がない市町村は吸収合併されてしまうかもしれない。
 TMOの役割の一つは、商店街全体をショッピングモールと見立てて街を運営・管理していくところにある。街づくりのための高度化事業を有効に活用していくことが大切だ。
 高度化事業のメニューは
@共同施設事業
A近代化事業
B店舗集団化事業
C小規模企業集団化事業
Dパティオ事業
E店舗共同利用事業
F共同店舗事業
Gコミュニティー施設整備支援
Hコミュニティー施設付き店舗整備支援
−などがある。
 中心市街地活性化法の認定を受けると、補助金や高度化資金、税制措置が受けられる仕組みで、活性化事業には見逃せない。
 リノべーション補助金は、テナントミックスなどに必要な店舗の取得や改造に対して実施するもので、市町村が二分の一以上出資する第三セクターには補助率二分の一(限度額七億五千万円)、市町村が四分の一以上出資のTMOには補助率三分の一(同五億円)、TMOや商店街振興組合連合会などには補助率三分の一(同四億円)、商店街振興組合には補助率四分の一、(同三億円)が適用される。高度化資金は中小企業事業団からの無利子融資で、融資限度額は貸付対象事業費の八割。償還期間は二十年以内(うち五年間据え置き)という内容。
◆活性化街づくりの事例
 とはいえ、単に活性化といつても、何を特徴にした街づくりをするのかがはっきりしていないとうまくいかない。最近では観光的な要素を取り入れた街づくりが成功しているようだ。そのあたりに着目し、「あれもこれも」ではなく、“オンリーワン"の街づくりを目指していぐべきだ。
 まちなか魅力づくりの参考事例としては長野県小布施町や山梨県身延町などが挙げられる。
 小布施町は「クリ」と「葛飾北斎」と「街並み形成」で広域集客観光による町おこしを成功させた。人口わずか一万二千人の町だが、農業後継者や住民ら二十四人が五十万円ずつ、町が百万円を出資して設立したまちづくり会社「ア・ラ・小布施」が、クリなどを材料にさまざまな“小布施ブランド"を創造、知恵を絞ってまちづくりに取り組んでいる。「北斎館」開館を機に、建築家らも参画してまち全体をミュージアムととらえた歴史的環境の再生にもチャレンジ。小布施堂の市村次夫さんや市村良造さん、町長らの独創的なリーダーシップも手伝って、情報発信力のある広域集客型のまちづくりを実現させた。
 身延町は、鎌倉時代に生きた日蓮聖人にちなんで「心都の響き・聖人(商人)鎌倉風文化の街」を基本コンセプトにまちづくりを展開。鎌倉風の家並みで街を形成、歴史資料館「お湯かけ聖人館」などの集客地設も整備した。
 いずれも歴史的資源を観光に結びつけ、“オンリーワン”を大切にしている。「変化と統一」「新旧調和」が広域集客のキーワードともいえるだろう。