事例研究・埼玉県川越市2
生活街と観光街に分担
歩行環境の改善が必要

第10講
全国国まちづくり
フォーラム代表
佐川嘉さん
県のタウンマネジメント講座第十講は七月三十日、水戸市の県産業会館で開かれ、歴史資産を生かした街づくりに取り組む埼玉県川越市の視察を踏まえた討議を行った。さらに、全国まちづくりフォーラム代表の佐川嘉久さんが講評して、県のタウンマネジメント講座を閉講した。
【グループ討議】
◆川越市を視察して 
 講座に参加しているのは、県内の商工会、商工会議所、行政の担当者ら約百十人。参加メンバーはこの日、4グループに分かれて川越市の視察結果を討議、まちづくりの課題などをまとめ、発表した。発表内容は次の通り。
 「広範囲にわたる蔵のまちをイメージしていたが、実際には古い商店街もあり、驚いた」
 「城下町ということもあって道路や歩道が狭く、歩行者の安全性に問題があった。バリアフリーにはなっていない。中心市街地に緑が少なく、ベンチやポケットパークのような休憩できる場所も見当たらなかった。交通渋滞も激しく、交通、歩行環境の改善が必要だと思う」
 「駅前付近は若者らが集う”生活街”、蔵などの歴史資産を生かしたまちづくりを展開する歴史的街並み地区は“観光街”と、性格がはっきりしているのが面白い。これらを連携する仕掛けをつくるといい」
 「駅前付近の商店街は、大型店との共存もうまくいっている様子。通りもうまくモール化していて、人通りも多く、活気があった。歩道に自転車がはみ出ているなど歩行者環境は悪いが、買い物中心の生活ゾーンとして魅力はあった」
 「歴史的町並み地区は、観光客向けの商店が多く、魅力ある施設は少なかった。歩道がないのが危険。パーク&バスライドを導入して歩行者専用道路にするなど、歩行者の安全確保が求められる」
 「地元の入たちはまちづくりに非常に熱心。まちを育てていこうとする姿勢が感じられた。小さな街でも、知恵を出し合えば人も集まるようになるのだろう」
 「活性化基本計画が地元のコンセンサスを得ずに、行政主導でつくられているが、果たしてこれからどういう風に地元合意を形成していくのか」
【講評】』
◆討議のまとめと講評
 最後に、全国まちづくりフオーラム代表の佐川さんが講評した。講評内容は次の通り。
 駅前の「生活中心街」、蔵を生かした「観光街」と役割分担ができていた。全体的に言えば、道路が狭く車が多いという状況が蔵のまちというイメージと一致しなかったと思う。
 2キロにわたる商店街。安心して歩けない。木陰や緑、休憩場所が少ないなどと中途半端な感じがする。お年寄りには厳しい商店街かもしれない。もっと、ゆとりとおもてなしが必要な気がする。楽しく歩ける、人にやさしいまちづくりが大きな課題だ。
 街づくり三法が整備され、まさに、まちづくりにとっては歴史的な大転換期。行政依存、他力本願だった商店主や住民らが、自分たちの街は自分たちでつくっていこうという熱意を持てるかどうかが試されている。
 中心市街地活性化法は「やる気のない地域は見捨てるよ」という厳しい法律。中心商店街が空洞化するいうことは地域が空洞化するということ。さらには、地域の未来が空洞化するといこととだ。
 今こそ、市民力を結集して知恵を出し合い、「使う側」の発想でまちづくりを進めていくことが求められている。
 この講座で学んだみなさんが、それぞれの街の再生の原動力となることを期待したい。夢と勇気と情熱を持つて、地域の中心な活役割を果たしていってほしいと思う。
(おわり)