三びきの子ぶた

 むかし、むかし、あるところに、おかあさんぶたと三びきの子ぶたが、すんでいました。
 一ばん上の子ぶたは、なまけ者で、いねむりばかりしていました。
 二ばんめの子ぶたも、いつも友だちと遊んでばかり。
 三ばんめの子ぶたは、兄さんたちとちがってはたらき者でした。
 ある日、おかあさんぶたは、三びきの子ぶたたちをよんで、いいました。
 『さあ、おまえたち。もう大きくなったんだから、家をたてて、ひとりでくらしなさい。 おおかみに食べられないように、じょうぶな家をつくるんですよ。」
 三びきの子ぶたは、はりきって、自分の家をつくりはじめました。
 一ばん上の子ぶたは、麦わらで家をつくりました。
 家は一日で、できあがりました。
 二ばんめの子ぶたは、木で家をつくりました。
 二日で、できあがった家は、みかけはなかなかりっぱです。
 三ばんめの子ぶたは、れんがで家をつくりました。三日かかって、ようやくがんじょうな家ができあがりました。
 つぎの日のことです。教会の鐘が、カラン、カランとなりひびきました。それは、おそろしいおおかみがやってきた、あいずの鐘でした。
 三びきの子ぶたは、あわてて、それぞれの家へにげこみました。
 おおかみは、とぶようにやってきました。
 おしゃれをしてすましこんでいましたが、おなかはペこぺこです。
 おおかみは、一ばん上の子ぶたの家のまえで、たちどまりました。 
 (ふうん、こいつは、おいしそうなにおいだ。まるまる太った、子ぶたにちがいない。)
 おおかみは、鼻をぴくぴくさせながら、麦わらの家をたたきました。
 「戸をあけてくれないかね、子ぶたくん。」
「だめだよ。いくらたたいても、あけないよ。」 子ぶたが戸をあけないので、おおかみは、おこり出しました。 
「ようし、こんな家、ひと息でふきとばしてやるぞ!」
おおかみは、息を大きくすいこんで力いっぱい、麦わらの家を、ふきとばしました。
 「わあ、たいへん!助けてえ。」 一ばん上の子ぶたは、麦わらの家といっしょにふきとばされて、二ばんめの子ぶたの家の近くに、ドスンとおちました。 あわてて、二ばんめの子ぶたの木の家へ、にげこみました。

 おおかみは、大きな口をあけて、おいかけてきました。 そして、二ばんめの子ぶたの家を、トントンたたいていいました。
「戸を、あけてくれないかね、子ぶたくん。」「ふん、だれがあけるもんか。かぎをかけたから、ぜったいに、入れっこないさ。「なまいきな子ぶたどもだ。こっちが、ていねいにたのんでいるのに。」  
 おおかみは、またまた、おこりました。しかし、麦わらの家のように、木の家はふきとばすことなどできません。
 おおかみは、どうしたものかとしばらく考えていましたが、やがてにやりとわらうと、二ばんめの子ぶたの家に火をつけました。 木の家は、たちまち、めらめらとほのおをあげて、もえあがりました。  

 「た、助けてくれえ。」 二ひきの子ぶたは、あわててまどからとび出し、三ばんめの子ぶたのれんがの家へ、にげていきました。
 「はやく、はやくう、兄さんたち。さあ、はやく入って!」 三ばんめの子ぶたは、兄さんたちを、家の中に入れると、あわてて戸をしめ、しつかりと、かぎをかけました。
「ふふふ。どうやら、あの家へにげこんだようだ。三びきまとめていただけるなんて、こいつは、楽しみだ。」
 おおかみは、よだれを飲みこみながら、れんがの家にやつてきました。「子ぶたくん、おねがいがあるんだ。この戸を、ちょつと、あけてくれないかね。」
おおかみが、いくらたのんでも、子ぶたは、戸をあけ
 れんがの家は、ふうっとふいたくらいでは、びくともしません。火をつけても、もえません。おおかみは、考えこんでしまいました。すぐ目のまえに、おいしいごちそうがたくさんあるのに、食べることができないのです。
「そうだ!いいことがある。これなら、きっとうまくいくさ。そうラすりゃ、おいしいごちそうが、食べられるぞ。」

 おおかみは、屋根にあがり、えんとつによじのぼりはじめました。
「おおかみのやつ、えんとつから、入ってくるつもりだなはやく、だんろの火をもやそう。」
 三びきの子ぶたは、急いでまきをくべると、どんどん、火をもやしました。
 そうとは知らずに、おおかみは、えんとつにとびこんだから、たまりません。「あち、あちち、助けてくれえ。」 おおかみは、火の玉のようになって、えんとつから、とび出していきました。
 そのまま走って、池の中に、ザブーン。 おおかみのじまんの毛皮も、まっ黒こげになってしまいました。
 おおかみは、ぺこぺこのおなかをかかえて、森の中へ、にげていきました。

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