2001.7.21秋田さきがけ新報社説

-中心市街地活性化-

「他人任せ」から脱却を

 

 しにせ百貨店・正札竹村の倒産が大館市に暗い影を落としている。客足が遠のき懸念されていた事態とはいえ、市民の受け止め方は複雑。とりわけ核店舗を失った地元・大町商店街のショックは隠しきれない。

 嘉永年間の創業、百五十年もの歴史を誇った正札竹村は、県北商業界の雄として近隣からも多くの買い物客を集めていた。これに寄り添うような形で商店街も発展、昭和五十年代までは活況を呈した。

 だが五十三年、長木川を挟んでJR大館駅寄りの御成町にいとく大館ショッピングセン夕ーが開店。六十三年には、そのはす向かいにジャスコ大館店も進出した。互いに広大な売り場と駐車場を武器にしのぎを削ったことで、既存商店街は瞬く間に地盤沈下。その後も郊外型大型店の出店傾向には歯止めがかからず、現在の大館はオーバーストア状態。

 中心部の衰退は大館に限ったことではない。しにせ・大丈の倒産や協働社湯沢サンエーの閉店で核店舗を失い空洞化を来した湯沢市、駅前からのサンロード商店街が寂れタカヤナギ本店も姿を消した大曲市、売り場縮小に伴う木内の集客力低下で閑散としている秋田市広小路など、県内外問わず事情は同じ。

 高齢化と少子化、景気の低迷、生産拠点の海外シフト、県外大資本による出店攻勢など、既存商店街を取り巻く状況は一様に厳しい。しかし、社会は絶えず変化している。酷な言い方かもしれないが、経営者それぞれがその変化に対応して魅力のある店作りをしてきたとは考えにくい。商店街が一枚岩となって攻めの姿勢に転ずるという姿勢も、一部を除いて希薄だ。

 「指をくわえて見ているわけではない」という反論はあろう。自前の資金で事業を進める力がない以上、行政と連携して商店街の整備・振興、空き店舗対策などを進めるしかないという現実も理解はできる。だが、往々にして陥りがちなのは行政依存体質。主体性を失った商店街に活力が戻るはずもなく、中心部の空洞化は加速するだけ。

 図式に歯止めをかけようと十年七月、中心市街地活性化法が施行された。国が事業費などを支援するものだが、従来は必ずしも連動していなかった都市計画など市街地の整備と、商業地の活性化を一体となって進めることが制定の主眼。その推進母体となるのがTMO〈まちづくり機関〉で、各地で続々実績を上げつつある。

 TMOは商店街や行政、市民団体などの調整役としてまちづくりを総合的に企画し、自ら事業主体となる場合もある。TMOになれる団体は商工会議所や商工会、第三セク夕ーに限られるが、設立されると無利子融資や施設整備に補助金が受けられるほか、この分野にノウハウを持つ国のタウンマネジャーを活用できるなどの利点がある。

 ただ、設立に際してネックとなるのは、商業者や住民など地元関係者の合意が形成されるかどうかの点。出資や費用負担をめぐって折り合いがつかないケースもあり、なにより重要なのは取りまとめに当たる船頭役の手腕。県内のトップを切って三セクによるTMOを立ち上げた六郷町の場合も、商業者らの熱意がその原動力となった。

 大館市でも昨年度、大館商工会議所を中心にTMO構想策定に着手している。本年度は地域合意を得て事業化を目指すとしているが、設立となると当分先の話。だが正札竹村を失ったことで危機意識が高まり、一気に前進するかもしれない。差し当たり必要なのは「あなた任せ」の姿勢から脱却することだ。